数多くある京都の着物店の中でも、こだわりの商品と店づくりで唯一無二の存在感を放っているのが堀川にあるアンティーク着物専門店「戻橋(modoribashi)」。オーナー渡辺健人さんの趣味がつまったお店は、今や関西のみならず全国の着物好きから注目を浴びる存在です。今回は5人組アイドルЯiM:MiR(リムミル)が戻橋を訪問し、その独特の世界観に触れてきました!
ЯiM:MiR(リムミル) 左から いっちー(宮田樹) つむつむ(橋本紬希) みかん(小日向美冠) ゆの(葉山ゆの) かこ(大原花恋)
1階 アンティーク着物とキラキラ輝く雑貨があふれるフロア
戻橋へはバス停「堀川中立売」から徒歩五分。地下鉄だと烏丸線今出川駅から15分~20分ほど歩く感じです。近くには晴明神社などもあり、散策がてらのんびり行くのもいいかもしれません。なお取材時にはうっかり地下鉄丸太町駅から歩いてしまい、ちょっと失敗しました(今出川よりだいぶ遠くなります)。
店内は、落ち着いた雰囲気でありつつも実に華やか。赤と黒で統一された壁や天井が、色とりどりの着物やきれいに輝くガラス小物などの鮮やかさをさらに際立たせている感じです。お店は3階建てで、1階は通常の販売フロア。見やすいようハンガーに吊るされた着物の多くは大正から昭和初期のアンティーク着物で、いずれも数千円という安さです。
いっちー 「かわいい! ピンクが大好きなんです!」とお気に入りを手に取るグループの赤色担当いっちー。
ズラッと並ぶ着物や帯にまざって軍帽などもあったりします。華麗なる混沌!
当然かぶります。身長170㎝のかこさん、軍帽もよく似合ってます。
みかんさんとつむつむが発見したのは飛び立つ鳥が入った着物。
みかん「鳥が好きなんです」
好きな動物の柄の着物を選ぶのもいい感じ! つむつむも鳥が好きですか?
つむつむ「わたしは焼き鳥が大好きです」
鳥が好きなことに変わりなし!
奥には大量に積まれた帯や小物が。
落ち着いた色の中に自分の担当カラーオレンジが入った帯を手にニッコリのみかんさん。
バッグに使えそうな大きながま口などもたくさんあります。
ゆの「これ、好きです! 色もすごくかわいいですよね!」
白色担当のゆのさんのよく似合います!
かわいい下駄や雪駄も。
あったかふわふわ襟巻でゴージャスな感じになったいっちー。
つむつむ「やわらかーい!ふにゃー!」
永遠にたわむれてそうな、つむつむ。
店内入り口側には雑貨コーナー。
可愛かったり妖しかったり、さまざまな雑貨が並んでいます。
手作りガラスの耳かきなんかもあります。
かんざしや髪飾り、組紐などもこのようにズラリ。
お会計はこちらの木枠のカウンターで。
カウンターまわりにはガラス細工の風鈴などキラキラしたものがいっぱい。
サボテンなどの観葉植物などもあったりします。
みかん「これなにかな? ……苔?」
つむつむ「マリモじゃない?」
謎の物体を発見したようです。
わからないことは渡辺さんに聞いてみます。
渡辺さん「これは苔ですね」
みかんさん正解!
つむつむ「マリモじゃなかったー!」
つむつむ、ガラスケースの丸さに引っ張られすぎ疑惑!
電話室の中のご婦人と同じ雰囲気で立ってみた、ゆのさん。電話の順番待ちではありません。
不思議な雰囲気の空間にあふれる和装アイテムの数々。着物を売っているお店は数あれど、このような品揃え、雰囲気の個性的なお店はどのようにしてできあがったんでしょうか。
渡辺さん「小さい頃から天神さんや弘法さんとか骨董市に連れていってもらってたので、もともと着物や古い物が好きだったんです。ですから、このお店も趣味の延長で始めた感じです」
さらっと話してくれた渡辺さんですが、子供の頃から着物や骨董に馴染むという経歴は京都ならではです。仕入れも渡辺さん自身で行い、すべて「自分の好きなものだけ」を選ぶとか。さすが、趣味の延長と言い切るだけのことはあります。
次は、その渡辺さんの趣味の世界がさらに炸裂している2階フロアに行ってみます!
2階 趣味全開の撮影スペース
土足を脱いで2階にあがると、そこが和と洋がいりじまじったまさに大正ロマン的世界観が広がっていました。まさに「しゅ、趣味の世界だねえ…」という、渡辺さんの好きな物がつまったフロアです。この雰囲気の中で着物を着て写真を撮れば絵にならないわけがありません。渡辺さんが作り上げた世界観にどっぷりと浸っていただきたいところ。
妖しさあふれるバーカウンター。曰くある店主と客が集まってそうな雰囲気…!
バーカウンターに入ってみました。ゆのさん、なぜかっこよく鋏を構えたのか。
厳かな雰囲気の椅子とソファー。背後には大量の時計と人形が! こんなに大量の時計が飾られてるのは戻橋2階か松本零士作品だけ!(時計屋は除く)
いっちーとつむつむで座ってみました。情報量が多い…!
こちらは鏡張りの床に敷き詰められた大量の毬。なかなかお目にかかれないシチュエーションです。和装でここに座っての撮影など、かなりいい感じなのではないでしょうか。
とりあえず座ってみた、いっちー。
つむつむは置いてあった刀で気合の入った(?)ポーズ。
そしてその頃、かこさんは犬の本に夢中になっていました。
かこ「このブルドックがめっちゃかわいいです!」
昔の本の絵は味があります。こういった本なども、すべて渡辺さんがひとつひとつ集めたものなのです。
画像提供 戻橋
そして、こちらは戻橋の看板猫、綱(つな)ちゃん。べっぴんな黒猫の綱ちゃんは、メンバーからも「かわいい~!」と大人気でした。
画像提供 戻橋
なお綱ちゃんの名前は源頼光四天王のひとり、一条戻橋で鬼の腕を切り落としたといわれる渡辺綱が由来とか。渡辺綱は豪傑ですが、綱ちゃんはかわいい女の子です。
アンティークの電話機などもあって実に興味深いです。うっかり当時の人と通話できたとしても不思議ではない雰囲気……!
華やかな着物や帯の展示にも見入ってしまいます。趣味とはいえ、いや趣味だからこその完成度の高さというべきでしょうか。最初からこんな雰囲気を目指していただんでしょうか?
渡辺さん 「このフロアも最初は完全に趣味で作ってたんですけど、写真撮影やギャラリーとして使わせてと頼まれることが多くなって、どんどん手を加えていくうちにこうなりました」と笑う渡辺さん。好きな趣味が他の人も巻き込んで広がっていく感じ、最高です!
なお、こちらの階段スペースの奥と1階の2か所にお手洗いがあります。戻橋での買い物はその膨大な商品数のために長期戦必至! お手洗い完備なのは実にありがたい限りです。
そしていよいよ、驚愕の3階フロアへ!
3階 すべて500円の着物フリマスペース
3階に上がれば、そこは果てしなく続く着物の海! 見渡す限り着物の山! 海は着物ですか。山は着物ですか。教えてください。どっちも正解といえる勢いで、フロアを埋め尽くす着物や羽織、帯などの商品。こちらは戻橋名物ともいえる着物フリーマーケットペースで、このフロアにあるものはすべて500円!
大事なことなのでもう一度言うと、このフロアにあるものはすべて500円です!
この着物の山がどれでも500円! 購入制限もないため、過去には100点ほど買っていった人もいたとか。
なにしろ500円なので、手を加えたり創作衣装の素材として使うのにも気軽に購入できます。
取材時にはスタッフの方が整理している最中で、数日後には整理整頓された店内の模様がツイッターで公開されていました。ですが商品は毎日のように大量入荷するとのことなので、すぐに着物の海・山のようになってしまうのではないかと予想されます。
「これもすごいかわいい!」
「でもお高いんでしょう?」
「なんと全部500円なんです!」
「すごい!安い~!」
というような話してるわけではないと思いますが、熱心にいろいろ見ているみかんさんとゆのさん。
ゆの 「みかんちゃんにはこれが似合うと思います!」
大好きなピンクの柄を羽織ってご満悦のいっちー。
シンプルかつかわいい柄を選んだかこさん。かっこかわいいステージパフォーマンスのイメージにぴったり!
かわいい柄を羽織って、なにかのキャラクターっぽくなったつむつむ。
バッグなどの雑貨も500円! このフリマは毎日開催しており、前述のように商品は連日のように大量入荷しています。ということは、頻繁に行っても常に新しい商品に出会えるということ。まめに通う人が多いというのにも納得、むしろ当然といえます。
普段なかなか触れることのない着物の数々、そして不思議で魅力的な空間に触れたЯiM:MiRメンバー。グリム童話などの西洋のおとぎ話がコンセプトのグループですが、「着物をアレンジした衣装も着てみたくなりました!」(いっちー)など戻橋の世界観に刺激を受けた様子。着物ベースの衣装となれば日本のむかし話がテーマでしょうか。そういうのもまたかわいい気がします! また、夏には浴衣を着てライブしたりすることも多いアイドルですが、戻橋ならさまざな柄の浴衣が一式数千円のリーズナブルな価格で購入することが可能。いつ行っても、どの季節にいっても欲しいものが見つかる戻橋。着物好きの聖地と呼ばれるのも納得です!
お店の前にはお地蔵さんもいます。せっかくなので拝んでおきましょう。
お店の横の壁もいい感じに装飾されており撮影も可能! 雰囲気に合わせてちょっとクールな表情で決めてみたЯiM:MiRメンバー。店内だけでなく、お店の外装まで含めて楽しめます。着物が好きな人はもちろん、大正ロマンなどの世界観が好きな人や衣装作製などアイドル運営などの方たちもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
『戻橋』
住所:京都市上京区中立売通黒門東入役人町237
営業:13:00~18:00
定休:毎週木曜(不定休あり)
公式Twitter
ЯiM:MiR(リムミル)
『ЯiM:MiR(リムミル)』はグリム童話からとった言葉で、おとぎ話のような世界観をテーマにした5人組グループ。2022年2月19日には大阪梅田 amHALLにて2ndワンマンライブを開催。かわいく幻想的なステージに期待が高まります!
宮田樹(みやたいつき) 公式Twitter
橋本紬希(はしもとつむぎ) 公式Twitter
小日向美冠(こひなたみかん) 公式Twitter
大原花恋(おおはらかこ) 公式Twitter
葉山ゆの(はやまゆの) 公式ツイッター
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