この記事は以前公開した「きれいにかわいく撮るために、アイドルライブ撮影についてしっかり考えた! 【照明・環境編】」の続編になります。以前の記事はライブ撮影でアイドルをきれいにかわいく撮るための照明や環境を考える、いわばハード面に関しての内容でしたが、今回はアイドルにとって撮られてうれしい写真、イヤな写真や撮影側の振る舞いへの希望などを考える内容となります。
撮影される側すなわちアイドル側の意見を紹介していくかたちになっていますが、今回は意見を集めるためにアイドル事務所様に無記名回答のアンケートを送るという方法をとりました。
とにかく送れるところに送らせていただいたので(各事務所総在籍数でいえば150人以上)どこの誰が回答したのかはわかりませんし、その回答が絶対的に正しいということでもなければアイドルの総意ということでもありません。ですが回答にあった意見の多くがSNS上でよく見かける内容であり、平均的な意見をまとめる役割は果たせているのではないかと思います。
なにより重要なのは、「こういった考えを持っているアイドルがいる」ということを撮影側が知っておくということです。知ったうえでどうするかは撮影者それぞれの判断ですが、なんらかの参考になることは間違いないと思います。
今回は元アイドルのAさんとの対談という形式をとっています。実際にライブ活動をして撮影される側だった立場として、現役アイドルの意見に解説や感想を加えてもらいました。
また、記事中の画像に関しては過去に撮影したライブ写真を許可をいただいたうえでイメージ画像として使用しています。内容に合う画像をAIで作成する、イラストで再現するなども検討しましたが、正直に言いますがうまいこといかなかったので断念しました! 本文とは関連性のないイメージ画像になりますが、記事全体の読みやすさのためのものとして見ていただけますと幸いです。
取材・撮影・構成/前川元
目次
撮影可能ライブは好き?嫌い?
–最初の設問は「撮影可能ライブが好きな人はその理由、嫌いな人はその理由をお書きください」というものでした。順に読んでいきましょう。
「アイドルの自分は永遠じゃないので、その時間を切り取って保存できるから好き」
「1番アイドルを感じられる瞬間を収めてくれるので、撮影可能ライブはいつもよりも気合いが入ります」
「普段撮影OKじゃないため、好きです」
–こんな感じで、アイドルとしての自分のいい瞬間を残してもらえるから好きという意見ですね。
A わかります。自分で保存できるし、SNSにも載せられるのでうれしいですよね。ワンマンとか大きいライブ以外だと公式の撮影が入ることもあまりないですし、ファンの方が撮ってくれた写真があるとうれしいです。
–撮影が好きな人の中には、こういう回答もありました。
「ライブ中のお写真は『自分アイドルしてるな!』って実感できるので好きです! メンバー全体の写真では『ここまだ揃えきれてないんだな』って反省になることもあるし、『ここ、みんないい顔してるな!』って所も見れるのでじっくり見させていただいてます。ただ自分の表情管理がまだ至ってないことが多いので研究中です!」
A 撮ってくれた写真を見て、こんな顔してるんだーとか、なんか無表情だなーとか、次はこういうふうに意識しようって考える材料になることもあると思います。
–実用としても有益なわけですね。中間あるいは条件付きの回答はこちらです。
「撮影可能ライブは好きでもなく、嫌いでもなくといったところです」
「思い出に残るからうれしいけど、かわいく撮って欲しい」
A 条件というか、基本はかわいく撮ってくれたらうれしい、ですよね。
–好きという回答の人も、わざわざ書いてはいないですけど「かわいく撮ってくれたら~」が大前提なんでしょうね。
A 間違いないですね。
※ライブイメージ画像
–そして、撮影が好きではないという人の回答です。
「嫌い。半目の写真を撮られたりするからです」
A 半目で写っちゃうのは仕方ないですけど、公開はしないでほしいですね。
–不本意な写真を公開されるとかの経験があると、撮影自体が嫌いになっちゃうんでしょうね。タイミング次第で半目の写真が撮れてしまうことは仕方ないにしても…。
A 公開はしないでほしいです。撮ることと、それを公開するかどうかは別で考えないといけないと思います。
–ただ、半目の基準って意外と難しいと思うんですよ。笑顔と紙一重の子もいますし。だからこそ半目かな? 笑顔かな? と迷ったら公開しない、くらいの判断があってもいいかもしれないですね。そして、撮影可能ライブが苦手と断言している方の回答はこちらです。
「苦手です。知らない人に撮られるのが怖い。ファンの人なら好きだから撮ってるって気持ちもわかるけど、知らない人に撮られてるのはなんのためにどう撮ってるのかもわからなくて、怖くて良い気持ちではない。ライブ後にお話にきてくれたりツイートしてくれたりするとモヤモヤもなくなるけど、誰かわからない人に撮られてるのは怖いです。逆に、ファンの人とか知ってる人に撮ってもらえるのはありがとう、って思います」
–知らない人に撮られるのが怖い。そういうことってありましたか?
A う~ん。わたしはなかったです。むしろ知らない人が撮ってくれるのはうれしかったですね。知らない人でも、初めて撮った写真を見て興味をもってくれてるかもしれないし、写真が趣味の人もいるし。チケットとか撮影料とか、お金払ってくれるのならいいかなって(笑)。でも、あらためて考えると自分に向かってるカメラの多くが知らない人っていう状況を怖いと感じることもあるのかな、とは思います。
–一度でも怖さを感じたら頭を離れなくなることはありますよね。不安とか恐怖心ってそういうものですから。
A ちょっと違いますけど、どこを撮ってるんやろ?みたいな人もいるんですよ。明らかにローアングルで、下のほう撮ってない? っていう。そういう時は運営さん注意してよ、って思ってましたけど(笑)。そういうのでなければ、アイドルをやってる以上は仕方がないんじゃないかなって思います。知らない人に見られるとか撮られるのは、それも込みの仕事なんで。
–アイドルって仕事自体がそういうものではありますよね。ただ、そんな気持ちを持ってる人がいるっていうことを知っておくのはいいんじゃないかと思います。
撮影可能ライブ・撮影可能曲で意識していること
※ライブイメージ画像
次は、撮影可能なライブや曲で意識していることはありますか、という質問です。どういう風に撮られたいのか、撮影可否によってパフォーマンスの意識に違いがあるのかなど、そういう話ですね。
「上を向きすぎないことです(顔がパンパンになるから)」
A わかります。ライブの時って顎をさげずに歌う子が多いんですよ。そうすると半目に写りやすいし角度的にすごいぶさいくになるので、ちょっと顎を引き気味で歌うといいかなっていうのは思ってました。
–ライブアイドルの場合は、遠くの観客にも意識を向けるのでどうしても顔が上向きになりがちではありますよね。
A そうなんですよね。撮影可能な場合はそのへんに変化をつけるっていうのはすごくわかります。
「なるべくカメラ目線をする」
–カメラに向かってレスをするってことですね。
A 自分を撮ってくれてる! って人には目線合わせたりしましたね。
–その瞬間はそのカメラを意識してるわけですから、いい表情やいいポーズになる率は高いですよね。
A そうです! それをSNSに上げてくれたりするとうれしいです。逆に上がってなくて「なんで?」って思うことがありました(笑)。
–そこはですね、照明の当たりがよくなかったとか、QRK(急にレスが来たので)でピントが合わなかったとか、まあ理由はいろいろ考えられると思います。そういう時、1番悔しいのは撮ってる本人だと思うので許してほしいです! ということで、次は似た回答をずらっといきます。
「表情管理。笑顔でいることとポーズでのキメ顔」
「ずっと笑顔でいること」
「どこからでも撮られているという意識と、表情を常にキープすることです。個人的に楽しそうにすることを意識しています」
「ぼーっとしない」
「どの瞬間も気を抜かないこと。でも気を入れすぎると不自然になると思うので、その調節が難しいと思う」
–笑顔で楽しそうに、という回答が多かったんですけど、やはりいつ撮られてもいい表情=笑顔っていうことを意識してる人が多いんですね。
A わたしもそこは意識してましたね。もちろん曲や歌詞によって違うところもあるんですけど、やっぱり撮りたいって思われるのは笑顔かなって。ただ、最後の回答みたいに意識しすぎて不自然にならないようにっていうことも思っていました。
–不自然っていうと?
A カメラを意識しすぎて、自分でもなんか違うぞ? って動きになったりパフォーマンスに影響が出る場合もあるというか…。ライブアイドルは一生懸命さが大事なので、撮影のための表情作りや動きを意識しすぎると、その一生懸命さが失われて魅力が減るんじゃないかって思ったこともあります。
※ライブイメージ画像
–撮影のためにパフォーマンスが弱くなったりしたら本末転倒、みたいな。そこは、そういった部分にどれだけ自覚的かっていうのもあるでしょうね。実際にこういった回答をしてくれた人もいます。
「なるべく顔や髪が乱れてないキマッているところを撮ってもらいたいので、少し動きを抑えたりしてます」
A こういう風に自信を持って回答できる人は、いい表情を撮ってもらえるように抑える部分とそうでない部分をしっかり考えてやってるんだろうなって思うんです。そうでなくて、ついつい撮られることだけに意識がいっちゃうとか、どっちつかずで中途半端になっちゃうのはよくないなって。撮影する人にはともかく、それ以外の人に「今日のパフォーマンスしょぼいな」って思われる可能性もあるので(笑)。
–身も蓋もないことを言うと、表情とかとパフォーマンスが両立できるかどうかもアイドルのレベルの話になるんでしょうね。
A そうだと思います(笑)。人気が出て大きなステージに立つグループって撮可の写真を見てもいい顔が多いじゃないですか。そのうえで撮影以外のお客さんの満足度も高いし。
–両方がハイレベルになっていくのが理想ですよね。最初の半目の話に関連しますけど、こういう回答もありました。
「瞬きをあまりしない、髪の毛を振り乱さない、汗をかきすぎない」
–瞬きしないっていうのは、回数っていうよりしっかり目を開くことを意識してるってことだと思うんですよ。それが結果として半目が減ることに繋がるんではないでしょうか。
A そうでしょうね。そのへんを意識するだけで全然違うんじゃないかな。
※ライブイメージ画像
–ちなみに、以前とったアンケートでは撮る側の意見としてこういうのがありました。「 目をしっかりと開けれるアイドルは思ってる以上に少なくて、相当数とってもほぼ半目に近い状態の人もいるため、そのような場合は全没になりやすい」。これは立場は違えど考えていることは同じと言えますよね。そうならないように気を使うアイドルもいるっていう。
A ほんとですね! 対になった意見があるっていうのはすごく面白いです。
–それと髪の毛を振り乱さないという部分。さっきのパフォーマンスを抑えるっていうことと同じような感じですが、少し具体的になっています。
A 激しいダンスとかでも、頭のブレが少ないと髪が乱れにくいってことはあると思います。そのへんはダンスのうまさもあるのかも。
–撮る側としては、表情もポーズもいいのに目に髪がかかっててNGになるとかけっこうあるので、髪を振り乱さない意識っていうのはありがたい気もします。
A でも振り乱しててかっこいい時もあるじゃないですか(笑)。
–ありますね。そこはグループのカラーや曲によって使い分けていただいて…。撮る側のわがままですが(笑)。
A 汗をかきすぎないっていうのは、わたしも汗かきだったので「器用か!」って思いました(笑)。
–汗を制御するのはなかなか難しいですよね。ただ、やっぱりこれもそこまで意識している人がいるってことが知れてよかったです。では、このコーナー最後の回答です。
※ライブイメージ画像
「ラフに皆と絡める曲の時はカメラも見るようにしてます。それ以外はありのままにパフォーマンスしてます。あと撮って欲しくない時は変顔したり目をつぶってます(そうするとコレは削除しようって思ってもらえるかなって思って)」
–曲に合わせて臨機応変にレスもするけど、基本はありのままということで、わりと理想的なのかなと思いました。ただ気になるのが後半ですね。
A 撮ってほしくない時は変顔したり目をつぶるっていうのは初めて聞きました。そういう場合もあるんですね。逆に公開されちゃったらどうするんだろう。
–意図が周知されてない場合はそのリスクがありますよね。
A 撮ってほしくないっていうのはどういう時なのかな。コンディションが悪い日とか?
–それだとその日のライブ中はずっとヘンな顔しないとダメってことになりますよ。
A 最悪なライブになっちゃう(笑)。
–この曲のこのタイミング、みたいなことでしょうね。
A でも確かに、いい表情とNGの顔がはっきりしていれば撮る人にも公開する写真を選ぶ時の基準がわかりやすくていいのかもしれませんね。
–そのへんを考慮されずにアップされるかも、というリスクはありますけどね。
A ほんとに、それが心配です!
–ただ、今回そういうことを意図しててやってる人もいるというのがわかったので、そこは頭にいれておきたいです。撮影可能なライブにおいて、アイドルがいろんなことを意識しながらパフォーマンスしているということをしっかり覚えておきたいと思います。
撮ってもらえるとうれしいのはどういう写真ですか?
※ライブイメージ画像
–次はどんな表情、動きを撮ってもらえるとうれしいかという質問です。もちろん公開してくれたらうれしい写真ということでもあるので、いろいろ参考にしていきたいですね。
「スカートや髪の毛がなびいていたり、ウィンクとかカメラに向けてレスを送ったカメラ目線の写真」
A こういう写真はいいねが多かったりフォローが増えることが多いんですよ。アイドル自身もSNSで使えるような写真を撮ってもらえるとうれしいですよね。
–躍動感があっていい顔してる写真ということですね。カメラ目線に関しては、先ほども出ましたがカメラにレスしてる時は意識を集中しているだけにいい表情やポーズになる率が高いですし。撮影する側としては、そこをしっかり撮れよ! と言われてる気がします。ほんとにね、がんばりたいところです。
「笑顔の写真や伏せ目の写真」
A 伏目…雰囲気があってきれいな写真かな? 伏目とか横顔もきれいな雰囲気の写真はうれしいと思います。
–躍動感とは別のベクトルですが、確かに絵になる表情のひとつですよね。ただ、伏目と半目の判断が難しい場合もあったりします(笑)。
A そこは、落ちサビを歌った後とかちょっと落ち着いた雰囲気の時は伏目なのかなとか、シチュエーションから読み取れたりする場合もあると思います
–難しい場合もありますけど、そういうところから判断するのはアリですね!
※ライブイメージ画像
「かわいくファンサービスをしている時」
「ジャンプの瞬間や髪がなびいてる瞬間はとてもおぉー!ってなります。ファンサの瞬間がいちばんうれしいかな〜!」
「ファンサしてる所を撮ってもらえたら嬉しいです」
A やっぱり躍動感と、ファンサが多いですね。
–ファンサっていうのはレスとは違うんですか?
A レスの意味で書いてる子もいると思います。それ以外だと、カメラへのレスほど特定の人に向けてるのではなくてもっと広い範囲での指差しとかハートとかそういうの?
–あれですかね、レスの場合はカメラから見ると主観の絵になるんですけど、他の人たちへファンサしてる様子を撮るみたいな。
A あ、そういうのかもしれないです。
–そのへんは断言できないんですけど、そういうのを撮るのもいいんじゃないかっていうことで。それと、躍動感に関して具体的に書いてくれた人もいます。
「かわいくてカッコイイ姿。振り付けで腕をピシって伸ばしたり、かっこよく歌ってる姿やかわいく片足あげてるところなど。『躍動感』のある姿だとうれしい。汗をかいてるのをかっこよく撮ってもらえるのもうれしい」
–汗をかっこよく!
A うーん。わたしはあんまり…。
–それはたぶん、イメージしてる絵が違うと思うんですよ。あくまで“かっこよく”じゃないですか。うれしいのはアスリート的な、キリッとした横顔に汗が光ってるみたいな凛々しいイメージなんじゃないですか。
A あー、わたしが思ってたのはなんかびちょびちょで…。
–前髪ベターみたいな。
A そう!それはイヤ(笑)。
※ライブイメージ画像
–そのへんも違いを読み取るべきなんでしょうね。そして最後はこの回答です。
「事故画じゃない写真、楽しそうな写真やかっこよくきめてる写真」
–総じて言うと、躍動感があって、かっこよさやかわいさがあって、少なくとも事故じゃない写真ですね。まとめるとそらそうよ、って感じになりますが。
A 大事なのは、かっこいいとかかわいいとかをあくまでアイドル本人の目線に立って考えることだと思います。ファンの方の判断だと、“推しの写真はみんなかわいい”になっちゃうこともあるので。
–好きなアイドルほど好きな気持ちはいったん避けて、撮った写真をシビアに見た方がいいのかもしれないですね。
A アイドルにしたらかわいく写った写真をみんなに広めてほしいって気持ちがあるので、ファン以外の人にも好きになってもらえるような写真を公開してもらえるのが理想かなって思います。
–実際、撮影する側にもそういったことを意識している人も多いんですよ。以前の記事でとったアンケートでも「画像選択で重要視するポイント・NG基準」という項目があったんですが、その中にはこういった回答がありました。
「自分がこの被写体だったと考えたときに、少しでも掲載してほしくないなと思う要素があった場合は、その時点で没にする」
「初見の人が見て興味を惹かれる(かわいいと思う)を念頭に選んでいます」
「アイドル自身がこうありたいと思っているであろう表情」
「重視するのはかわいさ。この写真を見てファンになろうって思ってくれるかどうか」
※以前のアンケートでいただいた撮る側の意見です
A すごい考えてくれてる!
–撮る側にもそういった部分をしっかり考えているは多いと、そこは明記しておきたいです。
A そうではない人も、ここでアイドルの気持ちをいろいろ知ってもらって考えるきっかけにしてくれたらうれしいですね。
公開されたらイヤな写真
※ライブイメージ画像
–ある意味、ここからが本番です。公開されたらイヤな写真!
A そうですね。ここが1番重要なところですね(笑)。
「鼻が開いてる、スカートにお腹のってる、角度の問題でスタイルが悪い」
–鼻が開いてるってありますか?
A あります! ライブ中で激しい曲が続いたりすると、口で呼吸できないから鼻が開いちゃうんです。それを撮られるのは本当にイヤですね。
–撮影側からも「ステージが高い場合などは特に鼻に気をつける」という意見がありました。鼻の開き具合や角度で目立ちすぎる場合など、気をつけていきたいですね。それと、スカートに乗ってるお腹の肉問題!
A そこは体勢によっては絶対乗っちゃうんですよ。もうしょうがないです。
–細くてもプニッと。そうすると、実際は細いのになんか肉がついてるような印象になってしまいますね。
A ここはもう修正してくれていいところだと思います!
–プニッをちょっとなかったことに。
A 本来はないはずのものなんで(笑)。
–本来はこうじゃないから、という判断ですね(笑)。角度によってスタイルが悪く見えるというのも、「本来とはなんか違うな」と思ったら加工するなり公開しないなりの判断もあっていいかもしれないですね。次はまとめていきます。
※ライブイメージ画像
「半目は論外ですが、口が半開きの写真も結構多いです。 ファンの方はかわいいと思ってくれてるのかも しれませんが全然かわいくありません!」
「半目や二重あご、前髪オールバック」
「地味に歯が見えてたり半目だったりしたら嫌です」
「二重顎、半目、口を開き過ぎている」
「明らかに瞬きしてる時に撮られた写真、お腹の肉が出てる写真、口が半開きになってる写真」
–半目に関してはすでに話しましたけど、口が半開きがイヤっていう回答が多かったです。
A 歌ってる場面でも、微妙な開き具合だとなんでこれ? ってなりますね。これ、どこを歌ってる時の口? みたいな。
–中途半端な開き具合はNGということですね。本人以外だと判断が難しいところのひとつですね。一概には言えないんですけど、ちょっと顔が上向きになってる時は半開きに見えがちかなという気もします。
A それはあるかもしれないです。
–逆に、口が開きすぎてるのがNGっていう回答もありますね。歌い上げてるところとか、口は1番開いてるけど全身で見ると一番きれいな体勢になってることが多いんですよね。
A どの程度が開きすぎなのか、これも難しい(笑)。
–その点、二重顎ははっきりわかる部類ですよね。
A そうですよね。二重顎は曖昧ではなくはっきりわかる。そこはもれなく除外してほしいです! ほんとに!
※ライブイメージ画像
「半目だったりジャンプしている瞬間」
「まわったりジャンプしたり走ったり勢いのある振りで顔が重力に負けてる写真。(かっこよく躍動感もあるけど重力負けしてる顔はあまり見られたくないです。載せてる方結構いる気がします)。あとは、太って見える写真(筋肉がかっこよく写ってたらOK)」
–ジャンプする瞬間が好きって人もいましたが、逆の意見もあります。
A これもジャンプしてどう写ってるかだと思います。かわいく写ってればいいんですよ。ただ、ジャンプすると勢いと重力に負けて顔が伸びたりすることがあるんです。それがイヤなんだと思います。そういう写真を見ると、「オー! 重力!」って感じ(笑)。
–オー! 重力!(笑)。
A 本当に、重力以外にもジャンプは顔がくずれがちなので公開するときには気にかけてほしいなって思います。
「真顔の写真」
「素にもどったりしてる時」
–かっこいい真剣な顔って場合もありますけど、アイドルでいることを忘れた虚無の顔とかだとまずいですよね。
A そこはボーッとしてるのと紙一重かもしれないですね(笑)。もちろん写真に残るのはイヤなんですけど、ライブ中はボーッと素に戻ったらダメですよね。
–そういった部分も含めて、アイドル側で気をつければクリアできそうなケースもありますね。それはそれとして、撮った側としては公開する際にしっかり考えて選びたいと思います!
公開どころか撮ってほしくもない写真
※ライブイメージ画像
–さらにもっと強めに“撮ってほしくもない写真”です。公開しないのならいいんじゃないの? と思うかもしれませんが、それくらいに嫌われてる写真と思っていただければと思います。
「ドアップ(顔しかうつってない)」
「顔だけアップ」
A ドアップ、マジで多いんですよ! 本当にイヤです。なぜか顔だけバカみたいにドアップにして(笑)。汗も見えるし肌のこまかい粗も見えるし、だからって加工してるわけでもないし! しかもスマホとかで撮ってて画質が悪いのもあって、なんなの!? なんで!? って思ってました。
–ひときわ怒りが伝わってきます(笑)。
A 全然いいところがないのに、意味がわからないです。本当にやめてほしい。「やった! 顔だけ写ってる!」とか喜ぶアイドル、絶対いないですよ!(笑)。
–これはもう、それだけ強く拒否している人がいるってことをしっかり覚えておきたいです。
「ローアングルとか狙ってるなという撮り方は好きじゃない」
「下からのアングルでの写真」
A 撮られるのがイヤな基本です。
–もう言うまでもなく撮ったらダメなやつですよね。狙って撮ろうとするような人は本当にやめるべきだと思います。
A アイドルからも、「なんか狙ってるな」っていうのはわかりますからね。
–これに関しては問答無用でNGですよね。それを前提としての話なんですけど、会場によってはステージの高さと撮影席との兼ね合いでどうしても下からになっちゃう場合があります。撮る人の中には、それが気になって撮りにくいこともあるって言う人もいるくらいなんですよ。そういう会場だと撮影席の場所っていうのが重要になってくると思うので、そこは運営サイドでも考えていく余地のある話じゃないかなと思います。
A 運営のほうで回避できる状況を作れるなら作ってほしいですよね。
–もちろんできないものは仕方ないですけど、できるかどうかをまずは考えてくれる運営さんだとうれしいですよね。撮る人間が悪い、っていうのとは別の話として。
※ライブイメージ画像
「脇とお腹、足を狙いすぎた写真」
–特定のパーツが好きでそこばっかり撮るって人はいますね。
A イヤです(笑)。
–ローアングルでスカートの中を狙うとかでなければ、公開しないんならギリギリじゃないかなという気もしますが…。
A 撮られてるのもわかりますし、イヤって意味では間違いなくイヤですよ。
–そういうことですね。イヤがるアイドルがいるという事実、これが大事です!
「似合ってない衣装の時」
A うーん…。確かにグループでも全員が衣装に満足してるとは限らないですけど…。
–まあ、本人的には不本意でしょうね。
A 本当に似合ってなくて不満な衣装だったら写真に残すのもイヤっていう気持ちはわかりますけど、撮影がどうこうよりライブ自体楽しくできないんじゃないかなって心配です。これに関しては、解決になるかどうかはわからないけど運営さんと話し合っていい方向にいけばいいなと思います!
「愛のない写真」
–これはちょっと曖昧なので具体的な解釈が必要ですね。
A 愛のない写真…。結局、その子がイヤがるような写真をアップしてるかどうか、その子の立場になってアップされてうれしいかどうかをちゃんと考えられているかってことじゃないですか。自分の気持ちを優先させるのが愛なのか、その子の気持ちを考えるのが愛なのか。
–深い話になりますね。
A かわいく撮ってあげたい! っていう気持ちも愛かもしれませんけど、そのかわいいの基準が間違ってたりすると結果的によくないですよね。自分が好きな子にとって本当にいいことが何なのかを考えてほしいです。それを間違うのは、愛じゃなくてただの勘違いっていうんじゃないですか。
–そうですね。でもこのへんで勘弁してください。撮影だけにはとどまらないダメージを感じます! とりあえず、相手の気持ちになって考えましょうということで!
撮影する人たちへの希望いろいろ
※ライブイメージ画像
–撮影に直接関わること以外の希望です。撮影後の処理とか、そういうのも含めての回答になります。
「できるだけ選んでかわいい写真を出してほしいし、 少しは加工してほしいです」
「写真の選別やレタッチをしてから上げてほしい」
「必ずレタッチして欲しい」
「できれば肌加工してほしいです。かわいい自分を載せてほしい」
「撮って出しを出すのじゃなくて、少しフィルターをかけたり肌加工したりかわいい写真を上げてほしい」
A しっかり選ぶのはもちろん、レタッチはしてほしいですね。
–レタッチ・肌加工って人によって程度の基準が違うんですけど、どれくらいが妥当なんでしょうね。
A わたしは、荒れとかを直して普通にお肌がきれいに見えるくらいだと思っています。加工してる! って誰が見てもわかるような不自然にヌルヌルになるまではしないほうがいいかも。ニキビとか毛穴とかがわからないくらいがうれしかったです。
–目につく粗を消してほしいっていう感じでしょうか。それと、先の話題でも出たお腹の肉が目立った時の処理とか肌荒れとか、“本来はそうでないのがこの時たまたまこうなってた”っていうのはやったほうがいいかと思いますし、やっていいんじゃないかなと思います。
A やっていい、という考え方もあるんですね。撮る側のこだわりみたいな感じですか?
–加工に関しては撮る側にもいろいろな考え方があるんですよ。撮る人間それぞれに「加工もここまでならOK!」みたいな基準があったりします。アイドル側が思う加工の基準と撮る側が思う基準があまりに違うと、ちょっといろいろきついかもしれないですね。
A 加工で実際よりもよくしてって言うのはともかく、その日の肌荒れをそのままアップされるとかを喜ぶ子はいないので、ちょっとひと手間かけてほしいです。
–そこは“愛を持ってひと手間”ですね。もしも、加工をしないというこだわりがあるのに要加工の写真を撮った場合は、“公開しない”という選択肢もありますしね。
A そういう判断も大事だと思います。
※ライブイメージ画像
「いい写真が上がってるとうれしい気持ちはありますが、撮って出しなどむやみやたらに公開されているものを見ると少し恥ずかしく悲しい気持ちになります。なので、そのアイドルさんのためにも最低限のレタッチや写真選別をお願いしたく思います」
–こちらも同じ内容です。撮って出し、というのは調整・加工なしの画像そのままで公開することです。もちろん、それがすごくきれいな写真ならOKなので、そうでない場合の話ですね。撮る側には、なぜか撮って出しという事をアピールしたがる人もいるんですが(笑)。
A 撮られる側とか見る人にとっては撮って出しかどうかは関係ないですよね。
–まあ、そうですよね。中には新しいレンズとか機材のテスト的な意味合いで撮って出しをアップする人もいます。加工・レタッチした後だと機材の特質がわからないから、ということで。
A それこそ写ってる側には関係ないと思います。
–本来は「テストなので加工なしで公開します」という了解をとってやるものなんで、そのへんがないのなら個人的にはどうかな? とは思います。逆に撮って出しのメリットとしては速報性というものがありますが…。
A それよりきれいにした写真を出してくれたほうがうれしいと思います。
–即答でしたね。中には速攻でしっかり調整してから公開する人もいますので、そういう人は喜ばれるんでしょうね。
A それはうれしいですよね!
–レタッチ・加工に関して言うと、撮る側の意見としてはこういったものもありました。
「(公開できない画像として)普段SNSで上げてる写真とのギャップがありすぎるもの。加工に頼ってる演者さんの写真は顔が違いすぎるのでほぼ使えません」
※以前のアンケートでいただいた撮る側の意見です
A あー(笑)。
–是非はともかく、画像加工というものに関しては撮影する側からはこういった意見があるという事も周知されていいんじゃないかなと、そう思う次第です。
※ライブイメージ画像
「SNSで公開時にはハッシュタグとかいろいろつけてほしいです」
–グループ名とか自分の名前とか、拡散用のハッシュタグですね。
A つけてほしいです。撮影可能ってうのは宣伝になってほしいからなので、検索に出やすいハッシュタグをつけてほしいです。広めるっていうことを意識してくれたらうれしいです!
「わりと『ここ撮って欲しい!』ってアピールしてる箇所などもあったりするのでがんばって見つけて欲しいです」
A ライブ中とか曲の中でも、自分が自信をもって見せたいと思ってるポイントってありますしね。いい位置で一番かわいいポーズの時とか落ちサビとか。
–物販でお話ししにいったりすると、そういったことも聞けたりするんでしょうね。
A そういうこともあると思います! だから撮影だけではなく物販にも行くのがいいと思います(笑)。
–そして、写真に関する反応…“いいね”に関してもいろいろありました。
「どんな写真でもいいねはするようにしています。ですが、『誰が見てもかわいいと思わないでしょ』っていうのがたまにあるから、そこは慎重に選んでほしいと思う」
「いいねをすると誰でも見れる状態になるのでいいねをつけない場合は好みの写真じゃないと察して欲しいです」
「反応がない場合は写りがあまり良くないと思ってほしい」
–“いいねをしない”は“よくない”という意思の現れ、ということですね。
A どんな写真でも“いいね”するって、最初の子は優しいですね。わたしは盛れてる写真にしかしなかったです(笑)。
–そのへんは、はっきりとした意思を持って“いいね”しないんですね。
A そうです。“いいね”をつけない場合はいいねと思われてないと察してほしいと思ってました。たまに「なんでしないんだよ!」って言う人もいましたけど(笑)。
–そこは聞くなよ、ですね(笑)。ただ、「どんな写真でも“いいね”はするようにしてる」という回答がありますから、“いいね”があるからいいというわけでもないんですよね。どういうリアクションをするかは人それぞれなので、「“いいね”がきてるからOK!」という判断をするのは早計であると。
A グループによっては自分たちのことが書かれてる場合はもれなく“いいね”する、みたいな方針の場合もありますから。
–あー、そういう場合もあるんですね。そのへんも含みつつ、少なくとも自分の写真に“いいね”がつかない場合はちょっと考えたほうがいいんじゃないかと。
A 考えたほうがいいですね。
※イメージ画像
–“いいね”に関しては、こういう回答もありました。
「事故画なので“いいね”をしなかった写真をわざわざリプで送りつけないでほしい」
A そんな人いるんですか? 最悪じゃないですか。
–いませんでしたか?
A いなかったです!
–“いいね”がついてないってことは気づいてないのかな? 心配だな、送ってあげよう! みたいな。
A いらねー!
–例えばlineやメールの返事がないけど何かあったのかな? 心配! みたいなのってもれなく違うじゃないですか。そういう心配はだいたい無駄って今までの人生で気づかなかったのかな? ってことですね。
A そこまでは言わないです。
–はい。
撮影するファンへのメッセージ
–いろいろな話をしてきましたが、最後に撮影してくれるファンに向かってのメッセージももらいました!
「いつも写真撮ってくれてありがとう!」
「いつも撮影してくださりありがとうございます。少しでもかわいく撮ってもらえるようがんばります!」
「いつも素敵なお写真を撮ってくださり、SNSで共有してくださりありがとうございます! 『奇跡の一枚』が撮れるようにお互いがんばりましょう!笑」
「かわいい私を撮ってください!」
「高いカメラを買ってまで撮影して下さったりアイドルである瞬間を収めてくださって本当にうれしいです。一生残る写真なので素敵な写真をたくさん撮ってください(^ ^)」
「ファンの方は愛を持って写真を撮ってくれていると思うので、写真を撮りたいって気持ちがうれしいです」
「重い機材を大変ながら持って来てくれて、撮影してくれてありがとうございます。 いい写真が上がってるとうれしい気持ちはありますが、撮ってすぐ出しや、むやみやたらに上がっているものを見ると少し恥ずかしく悲しい気持ちになります。なので、そのアイドルさんのためにも最低限のレタッチや写真選別をお願いしたく思います」
※イメージ画像
–基本的にアイドルのみなさんは撮影してくれるファンの人たちにすごく感謝しているんですよね。でもそれはあくまで“かわいく撮ってくれたら”、“かわいい写真を選んでくれたら”という前提があっての話なので、撮影する側としてはそれに応えられるようにがんばりたいと思います!
A アイドルの言う「かわいく撮って」っていうのは、基本的にはそんな高いボーダーじゃないと思うんですよ。すごく盛れててプラスじゃないと絶対ダメっていうのではなくて、もちろんそれはうれしいんですけど、そこまでわがまま言わないから少なくともマイナスになる写真は出さないでね、っていう場合のほうが多いと思います(笑)。それこそ今回の意見を参考にしたらクリアできるんじゃないかなってくらいで。
–個人的には、基本としてそもそもアイドルはかわいいものなので、マイナスになってなければ“かわいい写真”になるんじゃないかと、そう考えております。
A それでいいと思います(笑)。それと、わたしも現役の時には言えなかった意見があるんですけど、せっかくなんで言ってもいいですか?
–ぜひお聞きしたいです。
※イメージ画像
A 無銭で撮影可能なライブの時にだけ撮影に来て、物販とか一切来ない人もけっこういたんですけど…。できれば撮るならお金払ってほしいって思ってました(笑)。
–来て撮影してくれること自体はうれしいけど…?
A それはそうなんです。でも、物販でお金を使ってほしい(笑)。あ、チケット代とか撮影料とかかかる場合はまた違いますよ。
–無銭ライブで撮影可能な現場を選んでいくっていう人もいますよね。
A それって自分たちのファンじゃない、ってことじゃないですか。撮れれば誰でもいいのかなって。
–いくら無銭ライブで撮影が無料だとしても全然興味のないところには行かないと思うので、まったくファンじゃないってことはないと思いますけど…うーん、どうでしょう(笑)。
A 本当に物販に全然来てくれない人もいて、無銭で撮影できるならせめて1回くらいは来てくれたらいいのにって思ってました。そしたら撮ってくれたお礼も言えるじゃないですか。
–そうですね。そういう交流もしたいですよね。
A 撮影だけして、終わったらなんとなく帰ってく人たちを見るのは悲しいってことは間違いないです。
–ファンとかお客さんとはまた違う存在ですね。
A 逆にそういう人が初めて物販に行くとすごく喜ばれるかもしれないので、絶対行ったほうがいいと思います!(笑)。
–そういう事も含めて、撮る側はアイドルの気持ちを考えながら撮りたい写真を撮り、かわいい写真を世に出していけるようにしたいですね。アイドルはそれに応えられるようなコンディション作りやパフォーマンスをして、運営はそれがうまくいく環境を考えて整えていくというのが理想なのかなと思います。まずは撮影する立場として、アイドルの気持ちを考えつつできることをがんばっていければと思います! ありがとうございました!
まとめ
今回は撮影されるアイドル側の意見をいろいろまとめてみました。繰り返しになりますが、今回寄せられた意見がアイドルの総意ということではなく、あくまで回答してくれた方のひとつの考えです。
重要なのは、“紹介したような意見をもっているアイドルがいる”という事です。それを知ったうえでどうするかは個人の考えによりますが、ライブ写真を撮る時、そして公開をする際に少しでも思い出して判断材料のひとつにしていただけると幸いです。
最後になりますが、アンケートにご回答いただいたアイドルのみなさん、ありがとうございました!