2020-04-24

ゆるっと写べり場 第1回 「写真と仲良くなれる場所であり続けたい」 ​写真ギャラリー・ソラリス

写真やカメラのことをゆるっと楽しく話したい。そんな趣旨でお送りするトークコーナー「ゆるっと写べり場」第1回は、南船場にある「写真ギャラリー・ソラリス」さんをアイドルグループ「スリジエWEST」が訪問! ギャラリー初体験のメンバーが、ソラリス代表の橋本さんと「ギャラリーってどういうところ?」「フィルム写真の楽しさって?」「撮影される側の気持ちって?」などなどゆるっとしたお話をしてきました。写真が好きな方はもちろん、アイドル撮影から写真趣味にハマッた方もぜひお楽しみください!

取材・撮影・構成/前川元

左から 「スリジエWEST」大山実玖里さん、如月ゆあさん 写真ギャラリー・ソラリス代表 橋本大和さん

前川 大山さんと如月さんはいわゆるギャラリーに来るのは初めてなんですよね。

大山如月 はじめてです!

前川 ということですので、橋本さんから“写真ギャラリーとはなんぞや”というところからお話ししていただけますか。

橋本 はい。ええとね、ソラリスは写真専門のギャラリーなんですけど、週替わりにいろんな写真を展示しているんです。自由に来てもらって、自由に写真を見てくださいっていうお店です。展覧会の内容は、こちらで写真家のかたの展覧会を企画し開催するのと、貸しスペースとして個展・グループ展に使ってもらうということをしてます。それと、展示している写真を販売もしています。今、展示している写真も商品として買えるんですよ。

写真ギャラリー・ソラリス代表 橋本大和さん

如月 ほんとだ。値段が書かれてます。

橋本 知らないと商品だと思われないかもしれませんが、企画展の展示作品は全部販売しています。もちろん見るだけで買わなくても全然いいんです。ギャラリーがなにかといえば、「写真を見て楽しむ場所」で、そういう写真好きな人が集まってくれる場所を作りたいっていうのが始まりです。

「スリジエWEST」如月ゆあさん 2003年2月17日生 担当カラー 赤色

大山 写真に囲まれて、すごいきれいな空間だなって思いました。普段、こうやって写真を見ることがないので…。

橋本 たぶんスマホで写真を見ることのほうが多いですよね。それと違って、前に立って、近づいたり離れたりしながら写真を見て、飾り方とか空間ごと楽しむのがギャラリーの楽しさかなと思います。

「スリジエWEST」大山実玖里さん 1999年6月17日生 担当カラー 緑色

大山 今、展示されてる写真もすごく楽しいです!

橋本 尾仲浩二さんという写真家さんですね。尾仲さんは普段、旅をテーマに作品を作られていますが、この展覧会では旅の途中で撮った猫の写った写真を集めた作品と、ご自身の子どもの頃の家族写真に色をつけた作品をミックスしています。それぞれ写真集も出てるんですよ。

尾仲浩二さんの写真集はソラリスオンラインストアでも販売中。

如月 めっちゃかわいい!

大山 子供の頃の写真もすごくかわいいです!

橋本 こういう風に写真集で見るのもいいですし、たとえばこのページの写真はあそこに飾ってあるものなんですけど……。

如月 ほんとだ。同じ猫ちゃん。

橋本  同じ猫、同じ写真なんですけど、こう比べて見ると違いますよね。

展示されている生プリントと写真集、同じ写真でもそれぞれに良さがある。

橋本 印刷と生プリント、それぞれのよさがあると思うんですけど、その違いを楽しむのももまた面白いと思います。写真集がCDだとしたら1枚だけしかないプリント写真はライブみたいな、そんな違いがあるんじゃないかなと思います。

大山如月 ああー!(納得)

ソラリスの名前の由来は?(なおクイズ形式)

大山 ギャラリーの名前のソラリスってどういう意味なんですか?

橋本  じゃ当ててみましょうか。

前川 クイズ形式! いいですね!

如月 えー! なんだろう…ソラリス…。

大山 そら…? 空にあるもの?

橋本 いい線いってますよ。

橋本さんからの出題に、正解を求めソラリスの海をさまようふたり…!

如月 なにかの略ですか?

橋本 略じゃないです。ひとつの言葉です。ヒントはラテン語。

大山 ラテン語!? あのマークも関係ありますか?(と、ギャラリーのマークを見る)

橋本 あー、ありますあります。いい質問です!

こちらがソラリスのマークです。ヒント、いや大ヒントですね!

大山 えー…ドーナツ?(自分で言って爆笑)

如月 ドーナツ!(つられて爆笑)

橋本 確かにドーナツに見えますけど、ドーナツじゃないです(笑)

「ドーナツ!」に爆笑の如月さん。絵を見て答える大喜利なら正解だった!?

大山 違いますよね。ええと、五円玉?

橋本 違います!

前川 穴が空いてるものを言うゲームじゃないです!

如月 マークのどの色を見たらいいですか?白いところですか?

橋本 白いところのほうがいいかな。

如月 うーん、太陽…?

橋本 あ!

大山 太陽!

橋本 あ、答え取った?(笑)

大山 違います違います!ゆあちゃんが答えます!

如月 答えは…太陽ですか?

橋本 正解です! ソラリスはラテン語で太陽の意味です。

如月 やったー!

正解の如月さん。まさにソラリスのような笑顔です。

橋本 なんでかっていうと、写真は光が必ず必要で、その光のもとになる太陽を名前にしたかったんです。でもすごいですね。けっこうみんな当たらないんですよ。

如月 マークの周辺の白いところが太陽にみえたんです。

大山 白いところを見ないといけなかったんですね。黒いほうを見ちゃった!

前川 それでドーナツになっちゃった!

橋本 黒いほうはね、(レンズを見せながら)カメラのレンズの中がこういう形なんですよ。

大山如月 ほんとだー!

橋本 これと太陽を合わせたデザインになってるんです。ギャラリー名は最初は「ギャラリービッグライト」とかも考えてたんですけどね。

大山 ドラえもん…!

前川 ソラリスでよかったと思います!

写真展のこと、写真に似合う額のこと

未知の世界である写真の展示方法などについて質問。

大山  写真を展示するのはどんな人が多いですか?

橋本 ほんとう、老若男女いろいろですね。ひと昔前までは写真ってけっこうご年配の方の趣味で、仕事を引退してから「写真でもはじめようかな」っていう人が多かったんです。でも最近は20代30代で展示をしてみたいって人が増えたので、そこもしっかりサポートしていきたいなと思ってます。

如月 展示するのって難しいですか?

橋本 展示する写真は、だいたいは額にいれて展示ということが多いんですが、まず、そこで悩むことが多いと思います。僕自身も最初はそうだったんですけど(笑)。

如月 どんな額がいいかとか全然わからないです……。

橋本 そうですよね。それで、額ならこういうのがいいですよとか、額以外でもこの写真ならこういう飾り方にしたらいいんじゃないですか、とか説明させてもらってます。写真って飾り方で全然変わるんですよ。額縁の余白の幅を広くとったり、逆に全然ないとかで……洋服みたいなもので、写真によって似合う似合わないがあるんです。

大山 面白そう!

額縁が見せ方におよぼす影響は思った以上に大きい…!

橋本 たとえば、子供が写ってる写真なら優しい木目調がいいなとか、余白がない場合は窓みたいに見えるとか。逆に余白が大きいと、見てる人は自然とのぞき込むような気持ちになりますよね。

大山 なんだろう? って想像しながら見ちゃいますね。

衣装にも似たピンクの額がお気に入り? ちなみに「スリジエ」とはフランス語で「桜」の意味です。

橋本 そうでしょう。もし自分の写真を入れるなら、どんな額がいいですか?

如月 ピンクのがかわいいです!

大山 わたしは木の額がいいです。部屋に飾ってもオシャレな感じがします(笑)

寮住まいの大山さん、寮のお部屋にお気に入りの額にいれた写真を飾ってはいかが?

橋本 そういう額の色とか細さとかオーダーできる額装サービスもしてるんです。最初は展示用にと作ってたんですけど、自宅に飾る用の相談も受けたりしてます。自分が撮った写真を、小さくても額に入れて飾ってると「疲れたなー」って帰って来た時に「いい写真…あ、わたしの写真だ。がんばろう」って思えたりしていいですよ(笑)。

フィルム・暗室ってどういうもの?

橋本 暗室教室もやってるんですけど、暗室……フィルムってわかりますか?

如月 チェキとかですか?

大山 「写ルンです」もですよね。あと、黒い長いやつ?

橋本 そうそう。(フィルムを取り出して)こういうの見たことありますか?

大山 丸いやつ…なんか見たことあります!

如月 わたしは初めて見ました!

橋本 おおー、そうかあ……。これがフィルムで、カメラの後ろを開けて中にいれて使うんです。

橋本さん私物のニコンF3を構える大山さん。シャッター・ソルジャー感あり!(?)

大山 モニターがないんですね。

橋本 そうそう。モニターがないので、どう写ったかはすぐにはわかりません。で、この丸いフィルムは本当は開けちゃダメなんですけど、開けると、大山さんが言った黑くて長いやつになってるんです。

如月 (手に取って)これがフィルム……あ!なんかクルクルになっちゃいました!

フィルムをクルクルにしちゃった如月さん。ありがち!

橋本 大丈夫大丈夫(笑)。フィルムには光に反応する薬品が塗られてて、シャッターを押すとレンズから光が入って写真が撮れるんです。それをプリントするのが暗室作業ですね。やってみるとすごく楽しいですよ。教室では、それをひと通り覚えてもらう形になります。撮って、暗室で写真にして、最後に写真展をするっていう流れです。フィルム写真に興味のある人には楽しいと思いますよ。

大山 すぐに見れないと失敗しちゃうこともありますよね。

マニュアルでのピント合わせ初体験! すごく楽しかったみたいです。

橋本 そうそう。デジタルだと撮るたびに確認できて何回もやり直しちゃうんですけど、フィルムはそれができない。ボケたりしててもしょうがないよね、ってなるんですけど、ボケてるのもまるごと思い出になるっていうのかな。友達と「この写真、ピントがあってればよかったよねー」って言いあったりするのも含めて全部残るみたいな。そういうのも、なんかいいんじゃないかなと思います。

大山如月 (うなづく)

こちらは暗室。お気に入りのフィルムを(デザインで)選んでみました!

橋本 あとね、フィルムで撮った写真は柔らかいっていうのかな。そういう綺麗さを感じます。

大山 確かにすごく優しい感じがします。

橋本 そういう絵的な部分と撮る楽しさっていうフィルムのよさとか暗室作業の楽しさを、やりたいって人に広めていきたいなあと思ってます。

写真家とアイドル、それぞれ気になるお話

前川 ここからは、大山さんと如月さんから橋本さんに質問をどうぞ!

大山 写真は何年くらいされてるんですか?

橋本 高校の時からなんで…計算したくないですけど(笑)、20年くらいですね。

大山 始めたきっかけとかはあったんですか?

橋本 もともと絵が好きだったんですけど、上手じゃなくて(笑)。でも写真ならシャッターを押すと写るから、何かできそうな感じがするんですよね。「これいいんじゃないか?」って勘違いして、それで好きになったのが最初です。

大山 勘違い(笑)

橋本 そうそう(笑)。もしかしたらラップに近いのかなって思うんです。すげえかっこいいな、でもこの人歌がめっちゃ上手いわけじゃなくて、自分で声出してるだけやし自分もできるんちゃう?ってと思わせる感じが。いざ始めると、当然そんな簡単じゃないんですけど(笑)。でも、そういう自分にもできるかもって思わせる敷居の低さも写真のよさかなって思います。

写真家人生は勘違いから始まった!?

如月 人物とか風景とか、撮るものはなにが多いですか?

橋本 私は人が気にとめてない物、ゴミみたいなのとか、いいなあって思ったものを撮って、それを暗室で丹精込めてプリントするのが好きですね。最近は、街で人を撮るスナップとかは難しくなってきた雰囲気がありますが、そうだ、おふたりは街で勝手に写真を撮られたりしたことってありますか?

如月 うーん…あまりないですけど、風景を撮ってそうな人がいて、自分がそこに入ってるのかな?って思う時があります。そういう時は「自分が邪魔なのかも」って心配になっちゃいます(笑)

橋本 あー、なるほど。本当に邪魔なのか、それとも風景の中にかわいい女の子がいるから撮ってるのかとかわかんないですよね(笑)。

如月 わかんないです(笑)

写真の現場とアイドルの現場、そしてあらゆる趣味の世界にあてはまる共通点とは。

橋本 でも風景の中に人がいて、「絵になるなあ」って思わず撮っちゃう気持ちはよくわかるんですよ。もちろん相手が嫌がってる場合とか、良くないですけどね。相手が不快になるような撮り方は、写真を撮る行為自体を自分たちで狭めていくことになりますし。撮らないでっていう人を撮ったりダメな場所で撮ったり。

前川 今はけっこう問題になることが多いですからね。

橋本 自分が撮れたらいいっていうんじゃなくて、みんなで意識してまわりに迷惑かけないような撮り方をしていけたらいいなと思うんですけど…難しいですよね。アイドルのライブもそうかもしれないですけど、楽しい場を自分たちみんなで作ってるっていう意識を持つ必要があるのは、写真でもアイドル現場でも同じかもしれないですね。

普段は撮影される側として、いろいろ考えることも多いという大山さん。

橋本 写真に撮られることは多いと思うんですけど、撮られ方とかは勉強するんですか?

如月 してます!

大山 鏡を見ながらすごい勉強してます。わたしだったら右からがいいなとか(笑)。

橋本 おおー…。笑顔の練習をするとかよく聞きますけど、そういうのもするんですね。撮影会とかあるんですよね。そういう時って、カメラマンにこうしてくれたらうれしいとかあったりしますか?

大山 その場で見せてくれて、今こうだから次こっちからにしようとか言ってくださるとありがたいです。

如月 この角度がいいよねとか研究してくれてると、すごくうれしいです!

如月さんは動物が大好きなので、猫の写真にテンション高め。

橋本 なるほど。ファンの方は角度とかしっかり把握してくれてるんですね。

如月 そういう人はカメラが好きっていう人に多いような気がします。全身とか、いろんな角度で撮るとか。

橋本 逆に顔だけ撮る人もいる?

大山如月 (うなづく)

橋本 その場合は顔が好きなんですね…。まあ、顔が好きでしょうね(笑)。

前川 その気持ちはわかりますね。

暗室にあった虹色の洗濯ばさみでなんだか楽しい気分になりました!

橋本 他にこう撮ってほしい、みたいのはありますか? 撮る側としてはそういうのが気になります(笑)。

如月 いろんなところから撮ってもらいたいです。自分では撮れないところから撮ってもらえたりすると、発見があったりしてうれしいです。

橋本 自分では気づかなかったアングルの発見ですね。

如月 そうなんです!

大山 脇撮りの写真もうれしいよね。

如月 あ、うれしい!

橋本 脇撮りってなんですか?

大山 自分の順番以外の方が横から撮ることなんですけど、それだと目線がはずれてたりして、逆に思ってなかったようないい感じの写真になってたり……。

橋本 なるほど。ちょっと違った、自然な感じになったりするんですね。撮ってる側からすると、せっかく自分の番だから正面から撮りたくなるんでしょうけど、そこであえて目線外してもらうパターンもできるといいのかもしれないですね。

すっかり写真ギャラリーになじんだ大山さんと如月さんです。

大山 あと、しゃべってる感じとかも自然な表情でうれしいです。

橋本 そういうのは、いろいろ指示されるのと自由なのとどちらがやりやすいですか?

大山 うーん……わたしは自由なのがしやすいです。

如月 半々くらいです。決められすぎてもけっこう困っちゃうので。

橋本 撮られる勉強とかはどうやってやってますか?

大山 雑誌とかを見てます。

橋本 ファッション誌とか? その場合は、どういうところをを見ますか?

大山 こまかい仕草とか……。脚が内側を向いてるか外側を向いてるかで違ったりしますし、あと指の使い方とか。

橋本 そういうところを研究されてると、顔だけじゃなくて全身や仕草を撮ってほしいってなりますよね(笑)。なるほど~、勉強になります(笑)。

~感想やメッセージなど~

大山 はじめてこういう写真ギャラリーに来させてもらったんですが、すごく入りやすくてじっくり見ることができるんだなあと思いました。もっと入りにくいイメージがあったんですけど、また来たいと思いました。額縁のこととかをいろいろ教えていただいたので、これからはそういうのも意識して写真を見ていきたいです!

如月 写真集と実際の写真を比べてみて、同じ内容なのにこんなに見え方が違うんだってびっくりしました。それと動物が大好きなので、展示されている写真がすごくよかったです! 自分のうちのワンちゃんも撮るようにしようって思いました!

橋本 家で撮る時って余計なものを写したくないとかあると思うんですけど、自分のために撮るならとりあえず撮っておくのがい思います。それが後になって面白かったり懐かしかったりするようになると思うので、気にせずどんどん撮るのがいいんじゃないかな。インスタ向きではないですけど、後になって見るとそういうのもいいと思います。

如月 はい!

前川 最後に橋本さんからギャラリーとして今後の目標、していきたいことなどお願いします!

橋本 写真を始めたての方から、ベテランの方までたくさんの方が写真を通して楽しめる場所を作っていきたいですね。写真を見たり、自分で撮ったり、飾ったりと、写真と仲良くなれる場所であり続けたいと思います。ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。

大山如月 今日はありがとうございました!

2020年3月収録

写真ギャラリー・ソラリス

OPEN 11:00~19:00(月休)

住所 〒542-0081 大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館B1F

TEL/FAX 06-6251-8108

公式HP https://solaris-g.com/

​公式Twitter https://twitter.com/solaris_g

 

スリジエWEST

1万人の中から選ばれた正統派美少女アイドルグループ。グループ名の「スリジエ」はフランス語で桜を意味する。今回は大山実玖里、如月ゆあのふたりが参加。

スリジエWEST 公式Twitter https://twitter.com/cerisier_w

大山実玖里 公式Twitter https://twitter.com/mikuri00617

​如月ゆあ 公式Twitter https://twitter.com/_kisaragi_yua

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