1977年創業の京橋「ホテル富貴」に行ってきました！ こちらは実際に営業しているホテルですが、昭和レトロな雰囲気の撮影ができると写真界隈でも人気のスポットです。今回は、「ホテル富貴で撮影をしてみたい！」という人が内装を見てアイデアを膨らませることができるガイドとなるような取材をしてきました。自然光の活用やストロボ設置ポイントなどの参考にもしていただけると幸いです！
取材・撮影・構成／前川元
今回のナビゲーターをつとめてくれるさくらさん 京橋にあるGalleryroom305のメンバーで、セルフポートレートをはじめさまざまな題材の作品を発表しています。
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本物の昭和レトロ空間 京橋「ホテル富貴」
ホテル富貴に関して
「ホテル富貴」は現在も営業しているホテルですが、撮影の場合も通常の料金で利用することが可能です。詳細は公式HPの案内からご確認いただきたいですが、撮影スタジオをレンタル使うよりもだいぶ安いのではないでしょうか。利用人数は2名となっていますので、それ以上の人数での利用の場合は必ず相談のうえ利用するようにしましょう。
また、ホテル内は昭和レトロな雰囲気ですが、本当にレトロです。設備も昔のものをこまめに改修したり大事にしていますが、どうしても弱い箇所、壊れやすい設備などがあります。上に乗ったりすると破損してしまう等の事故の可能性もあり、ケガにつながる場合もないとは言えません。撮影利用者としては、そのあたりを踏まえたうえで丁寧な利用をしていければ…と思います。大事なことなのでもう一度言うと、本物の昭和レトロは本当にレトロです。事故防止のためにも、丁寧な利用を心掛けたところです。
という前置きをしたところで、ここからは実際に「ホテル富貴」館内や各部屋を紹介していきます！
「ホテル富貴」は各京橋駅から5分ほど。JR・京阪の駅からだと商店街に入りグランシャトーの横を抜けて路地を歩いていけばすぐ、という感じです。住所でいうと「 大阪府大阪市都島区東野田町３丁目７−１１」です。
裏通りになるホテル、ではありますが昭和レトロなホテルとして取材なども多く受けており、入り口などもイメージよりオープンな雰囲気で入りやすい感じです。撮影に利用といえど、こういったホテルに入るのは気を使うという人もそれほど気にせず入って大丈夫です！
フロントのステンドグラスがすでにお値打ちものです。撮影に利用といっても特に変わった申し込みなどは必要はありません。部屋の予約も可能なので、使いたい部屋がある場合は事前に電話予約して確実におさえておきましょう。
階段、壁、じゅうたんなど館内すべてレトロな雰囲気！
ドアや壁の装飾など、他ではお目にかかれない存在感です。
廊下や階段なども館内利用状況によっては撮影可能です。他の利用者の迷惑にならないよう事前に利用の相談をしたうえで、イメージにあった写真を撮影しましょう。
「102 舟」をレポート！
それでは、さっそく人気の部屋「102 舟」に入ってみましょう！
さくら 「このお部屋は私も以前撮影に使ったことがあるんですけど、かなりくつろげます(笑)」
確かにくつろいでます。普通に旅館に到着してひと息ついてる人みたいです。
さくら これだけ広いと、畳で和のイメージでの撮影もしっかりできますよね。
確かに想像していたよりも広く畳部屋は8畳あります。普通に大の字で寝られる広さです。
そして、その奥には舟！ 舟がありました。これは間違いなく舟です。
さくら 普通に布団を使ったり、舟の形を取り入れた感じでも撮れるのでいろいろ工夫できると思います！
広い壁1面が絵画のようになっているので、いろいろな撮り方ができそうです。
さくら 以前に撮影した時は、壁の赤がきれいなのでストロボ直当てで濃い目の色を出して撮ったりしました。
舟と畳の間にはカーテンがあり開閉自在になっています。
さくら このカーテンを体に巻く感じに撮ったりもできますよね
さくら 反対側にストロボを置いたらディフューザーとしても使えそう…。
カーテンに関してもいろいろな使い方でできそうです！
奥にあるお風呂スペースです。
さくら 自然光がめっちゃ入ります！
トイレとの壁にはこんな丸窓も。けっこう反射するので、PLフィルターを持っていきたいですね。見てお分かりのように取材時には持っていってませんでした。
それにしても不思議な形の浴槽です。作りやタイルの色などすべてが昭和レトロの塊！
さくら 地味にこの態勢が楽ちんです
変なポーズの生き物…ってコト!?
部屋側のカーテンを開けてみました。お風呂スペースからの光が入ってきます。
すりガラスごしに撮影したりストロボを仕込んだり、いろいろ活用できますね。
この部屋では過去に演劇イベントなどを開催したこともあるそうです。舟のほうに演者、畳スペースに観客が座るという形式だったとか。確かに楽しそうな感じがします。コロナの影響がまだあるので直近での開催は難しいようですが、またそういったイベントが開催されるのが楽しみです。
さくらさんにホテル富貴のロケーションに関しての感想を聞いてみました。
さくら 大阪の昭和レトロホテルといえば富貴さんというくらい有名なので、入ったことはなくても知っている人は多いと思います。広くて魅力的なお部屋が沢山あるので、私も初めて撮影で利用した時にはどの部屋にしようかなとすごく迷いました。
今回レポートしたお部屋「102 舟」で私が1番好きなのは一面真っ赤な広い壁です。この壁の前で目力の強いモデルの方を撮影したらすごくかっこよくなったので、是非こちらに入られたら撮ってみてください。もちろんその他の装飾からも本格的な和の匂いがしていて、どこで撮っても昭和レトロを感じられます。紹介した場所や撮り方以外にもご自分にあった撮り方を探してみてください！
「201 中華」
ここからは他の部屋を順に回っていきます。いずれも特徴的すぎる内装で、撮影意欲は増すばかりだと思われます！
その名の通り、中華風のお部屋です。円形の格子戸、壁の装飾、色合いと、いっそ中華を越えたオリエンタルなユートピア……ガンダーラ感にあふれています。
格子戸はこんな感じで開きます。
窓を開ければ自然光も入ります。
もはや美術品ともいえる装飾。
懐かしい形の鏡台も設置されています。角度によってはエアコン等の設備が写りこんでしまうので、鏡を使っての撮影の際は鏡面の隅まで要確認です。
「302 江戸」
畳部屋から寝室へ向かう階段、赤い欄干、すだれに壁面の絵などそれっぽい記号が絶妙なバランスで配置され、花のお江戸の遊郭感を再現しています。
寝室回りはお庭のようになっています。欄干に関しては、撮影中に腰掛けるのにちょうどいい位置にありますが強く体重をかけるのは危険です。撮影に夢中になるとこういった部分に座ったり乗ったりしてしまいがちですが、繊細な作りの場所には負担をかけることがないように利用したいところです。本物の昭和レトロは本当にレトロなので！
また、下の砂利の部分はベッド周りの撮影位にライトスタンドを置くのに最適です。使用後はそのままだとスタンドの後が残ってしまうので、砂利をしっかりならしておくのがいいかと思います。
畳部屋のほうも何とも言えない不思議なつくりです。屋根のある壁面もいい感じに活用できそうです。
今はなかなか見ることのなくなった三面鏡が置かれています。コンセントがついているのも昭和感あり。
奥の窓を開けた時の自然光の様子。
バスルームはしっかり洋風です。緑と自然光を活用した撮影ができそうです。
和装や和風のコスプレをはじめ、いろいろな撮影ができそうな「302 江戸」でした！
「202 ローマ」
中華、和ときてこちらは洋風。「202 ローマ」の特色はバスルームにありますので、そちらを主に紹介していきます。
とにかく広いバスルームは、浴槽を囲む円柱がポイント。
自然光がたっぷり入ります。タイルの赤もきれいに輝いています。
バスルームとトイレの間の丸窓。
撮影にどう活用するか、円柱とどう絡めていくか、いろいろなアイディアが浮かびそうです。
半透明のカーテンも開閉可能。
反対側は洗面台になっています。
ベッドルームとの間はガラス張りになっています。敷かれた芝シートやテーブル・チェアーなどのおかげでなんとなくリゾート風な雰囲気になっているような気がします。
「101 ガラス」
和の雰囲気と凝ったタイルの組み合わせがモダンな、不思議すぎる空間です。
ベッド脇のカーテンを開ければバスルーム。
以前は水が張られていたという池も設えられています。風流としか言いようがないですね。それにしても部屋名の「ガラス」の要素はどこに？
それはバスルームにありました。ガラス張りの浴槽です。すりガラスで作られた浴槽はいろいろな撮影に活用できるはず。
畳部屋には三面鏡、そして懐かしい形のマッサージチェアがおかれています。撮影意欲が湧くとともに、ついついのんびりしたくなるような空間でもあります。
「406 英国」
「406-英国-」には重厚な雰囲気のリビングがあります。ゴージャスな雰囲気を活かした撮影ができるのでは。
この部屋のもうひとつの特徴はガラス張りのバスルーム。円柱の間のカーテンを開けると…。
自然光が差し込む広々としたバスルームです。
何種類ものタイルが使用された造り！ 天井はガラス張りで綺麗に光が入ってきます。
ベッドルームも落ち着いた内装です。「英国」の名にふさわしい、全体的に上品で落ち着いた雰囲気です。
「301 武家」
入った瞬間、武家屋敷です。いろいろな要素が混ざりまくってますが、第1印象はあきらかに武家屋敷…！
室内であるにかかわらず、立派な門・塀が設えられています。
門の反対側は囲炉裏部屋。吊るされた自在鉤は引っ張ったり何かをひっかけるなどの負担をかけないようにしましょう。
ベッドルームは門の中にあります。こちらも脇のカーテンを開けるとバスルームからの光が差し込みます。
ベッドのわきの鏡にはお城などの風景のエッチング加工が施された鏡があります。寝室からお城が見える、まさに武家屋敷の気分です。なんとかうまく撮影に活用したいポイントです。
まとめ
「ホテル富貴」の撮影スポットして人気の部屋を紹介してきました。この記事が「ホテル富貴」での撮影を考えている人の参考になれば幸いです。
「ホテル富貴」および姉妹店「ホテル千扇」は、撮影以外にもいろいろな使い方が可能です。特に「ホテル千扇」では過去にはトークイベントをはじめ、演劇、各部屋を借り切っての写真展、朗読会なども開催されました。「ホテル富貴」、「ホテル千扇」運営のスタジオプラムさんは、やりたいことをしっかりと相談すれば実現に向けて真摯に一緒に考えてくれます。なにかやってみたいことがあれば、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
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TEL 06・6351・6750
公式Twitter https://twitter.com/channelplum
ホテル富貴
住所 大阪市都島区東野田町3－7－11
TEL 06・6353・4135
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HPには利用案内はもちろん過去に開催されたイベント情報、取材記事なども多く掲載されており必見です！
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問い合わせはホテル富貴のTEL 06・6353・4135まで。
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